「ありのままの~、姿見せるのよ~」
雪の女王・エルサ役の松たか子が歌う主題歌「レット・イット・ゴー」のサビ部分が、10年前はイヤーワーム状態になったものです。ディズニーアニメ『アナと雪の女王』(2013年)は、日本だけでも興収250億円を記録したメガヒット作となりました。
同じく『アナ雪』の日本語吹き替え版で、エルサの妹・アナ王女を演じたのは神田沙也加さんです。続編『アナと雪の女王2』(2019年)でも、再びアナを演じた神田沙也加さんですが、2021年12月18日に35歳という若さで亡くなっています。
神田沙也加さんにとってのブレイク作であり、代表作にもなった『アナと雪の女王』『アナと雪の女王2』が、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で11月29日(金)と12月6日(金)の2週にわたって放映されます。神田沙也加さんが亡くなって、初めての地上波オンエアとなります。
今年6月には「東京ディズニーリゾート」に、『アナ雪』をモチーフにした新アトラクション「フローズンキングダム」が新たに加わりました。『アナと雪の女王3』が2026年に公開されることも発表されています。そんな『アナ雪』の話題を振り返りたいと思います。
日本の皇室問題にまで飛び火
ディズニーアニメとしても画期的な大ヒット作となった『アナ雪』は、幅広い世代にアピールし、社会現象にもなりました。ディズニーヒロインといえば、不遇な状況に置かれたお姫さまが我慢強く耐え忍び、助けに現れた王子さまと結ばれ、お城で幸せに暮らしてハッピーエンドというのが定番でした。
しかし、『アナ雪』の主人公であるエルサとアナの姉妹はお城を飛び出し、それぞれ自分の力で運命を切り開いていくという能動的な物語となっています。王子さまキャラは、サブ扱いです。男性目線で作られてきたディズニーアニメの伝統をひっくり返した、記念碑的な作品でした。『アナ雪』が公開されてからの10年間で、世間のジェンダー的価値観は大きく変わってきたことを感じさせます。