ロールオーバー手続きをしなくてもいい人
2018年にロールオーバーの手続きが必要となる対象者は「14年にNISA口座で購入した有価証券を保有している人」だ。
14年に購入した有価証券がNISA口座に無い場合は、18年の手続きは不要である。非課税期間を延長しない場合も不要だ。
ロールオーバーの手続きを行わなかった場合、特定口座を開設している人は特定口座へ、特定口座未開設の人は一般口座へと自動的に移管される。
2018年のうちに2014年にNISA口座で購入した有価証券を売却する場合も、ロールオーバー手続きは不要である。
ただしロールオーバーをせず課税口座へ移管した場合も、取得価格は「非課税期間終了の年末の時価」に変更されるので注意が必要だ。
例えば、2014年に50万円で買い付けたNISA口座の株式が2018年に20万円まで値下がりした場合、その株式を課税口座へ移管すると取得価格は20万円になってしまう。これは税制面で考えると非常に大きなデメリットだ。
なぜなら元の取得価格である50万円まで戻ると、実質的な損益はプラマイ0であるにも関わらず30万円の利益が出たとみなされ課税されてしまうからである。
またNISA口座から課税口座へ移管した株式の配当金や投資信託の分配金は課税されてしまうことも忘れてはならない。
ロールオーバー手続きはいつまで?
ロールオーバーをしたいのであれば、所定の期間内に手続きをしなければならないが、2018年8月16日時点では、ほとんどの金融機関でロールオーバーの手続きについて「秋ごろに手続きを開始する予定」と案内されており、具体的にいつまでに手続きをすればいいのか分からないケースが多い。
既にロールオーバーの手続きが開始されている野村證券では、「本年11月末までに当社必着」と、手続き書類の締め切りが提示されている。
他の金融機関も11月後半か、もしくは12月ごろが手続きの締め切りになると思われる。
いずれにせよ、各々の金融機関での手続きの詳細が分かるまで待たなければならない。
ロールオーバーについて注意すべきポイント
「ロールオーバー手続きの期限はまだ先だから今は何もしなくてもいい」と思った人が多いのではないかもしれないが、いくつかの注意すべきポイントがある。場合によっては、前準備として様々な手続きをしなければならない。
ロールオーバーにはいくつか注意すべき点があるが、次の3つが代表的なものだろう。
つみたてNISAはロールオーバーができない
まず手続きする翌年のNISA口座がつみたてNISAに設定されている場合、一般NISAの有価証券をロールオーバーすることができない。
つみたてNISAに設定している人が一般NISAの有価証券をロールオーバーする場合は、手続きする翌年のつみたてNISAを一般NISAに変更する必要がある。
この場合、「ロールオーバーの手続き」に加えて「一般NISAへの変更手続き」が必要となるので、手続きがやや複雑になるであろう。