ABEMAオリジナルドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』は早くも中盤戦に突入。11月28日は第4話が放送されるが、謎が謎を呼ぶスピーディーな展開で、考える暇なく、熱量の高い物語に飲み込まれている人たちが増えてるようだ。そんな比類なき作品の原作、監修を務めた作家・沖田臥竜氏によるリアルタイム・コラム。今回は『インフォーマ』を生み出すまでに費やされた時間、さらにその時間の先にある未来を綴る――。

見ているのは「続編」のその先

『インフォーマ』の現場を私は「学校」と表現してきたが、さしずめまったく知らない人たちの現場に監修として呼ばれていく時は、「転校生」のような心細さを味わうことができるものである。

 6月頃であった。『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』の日本パートの撮影中に、ハリウッドドラマ『TOKYO VICE Season1』と『~Season2』で一緒だった助監督から、ある作品への監修のオファーがあった。その助監督とは気心が知れていたのだが、「ボクはその作品に入ってないのですが、知り合いが、沖田さんに仕事の依頼をしたいので紹介してほしいと言ってきているのです。話だけでも聞いてもらえませんか」と言われ、結果、仕事を請けることになった。ただ唯一の危惧は、スタッフも俳優部も知らない人たちばかりということだった。

 だが、私に自信がなかったかと言えば、そうではない。私の映像の仕事のスタートは、『ヤクザと家族 The Family』だった。私はそこで本当に多くのことを学んだ。もしも違う作品ならば、映像づくりに対する解釈はもっと違うものになっていたはずだ。

 ものづくりに対する現在の姿勢は、そこでの経験がベースにある。スタッフの大変さ、俳優部のひたむきさ……さまざまなことをそこで学んだ。それでも、何年かぶりに行う、全く知らない人たちとの仕事に心細さがあったのは確かだった。そこで私は『インフォーマ』で知り合った、ある人にお願いしたのである。