三重県中部にある松阪市は、古くから商業の町として栄え、豪商と呼ばれる大商人も多く輩出しました。現在でも城跡や武家屋敷、商人の屋敷があり、街を歩くと城下町の風情を感じられます。伊勢神宮からも近いので、訪れてみてくださいね。

三重県松阪市とは

(写真=ゆきたか)

松阪市は、三重県中部にある人口約16万人の都市です。古くから街道が交差する交通の要衝であったため、宿場町として栄えてきました。

また、江戸時代には伊勢商人を輩出するなど、商業の町としても栄えていました。現在でも、鉄道や主要な道路が通り、南三重の中心都市としての機能を持っています。

市内には、松坂城跡や商人の旧邸宅などの観光スポットが点在しており、往時の雰囲気を残しています。三重県の有名観光スポット「伊勢神宮」からも近く、近年は観光地として注目されています。

松坂城跡周辺を散策しよう

まずは松坂城跡周辺を散策してみましょう。大きな石垣のある城郭や、城を警備するために建てられた武家屋敷を眺めることができます。ホッと落ち着けるカフェもありますよ。

松坂城跡

(写真=ゆきたか)

松坂城跡は、天正16年(1588年)に、戦国武将の蒲生氏郷(がもう うじさと)によって建てられた城の遺跡です。立派な石垣がそびえる城跡は、松阪市のシンボル的存在となっており、見学も自由に行えます。

(写真=ゆきたか)

城郭の最上部には、本丸跡があります。現在は建築物はありませんが、かつては三層からなる天守が建っていたそうです。また、周囲には敵見櫓、金の間櫓が建っており、それらは城郭の防備のための建物である「多聞」で連結されていたそうです。

(写真=ゆきたか)

本丸上段には、天守跡、敵見櫓跡、多聞跡の石垣が残っているので、建物があった時の様子を想像してみてください。

(写真=ゆきたか)

こちらからは、周囲の景色も見渡せます。松阪市街や周辺の山々を眺めてみてください。石垣には、柵や手すりがないので、足元に気を付けて歩きましょう。

(写真=ゆきたか)

南東の方向には、後から紹介します武家屋敷の御城番屋敷が見えています。大きな瓦屋根と手入れされた庭木、そして石畳の通路が美しいですね。

本居宣長旧宅・本居宣長記念館

(写真=ゆきたか)

松坂城跡の二の丸跡には、松阪出身の国学者「本居宣長」の旧宅があります。12歳から亡くなる76歳まで住んでいた住居で、もともとは松坂城の東の魚町にありましたが、明治42年にこちらに移築されました。

建物は2階建てで、1階には、居間や仏間、台所のほか、店の間、おいえの間、奥座敷があり、2階は書斎となっています。書斎は通常公開されていませんが、1階は見学することができます。

本居宣長は、松阪商人の小津家に生まれましたが、商売はせずに医学を学びました。その後、医師をしながら、日本古来の歴史書である『古事記』や『日本書紀』を研究する国学にも励みました。

彼の著作には、全44巻からなり、35年をかけて執筆した『古事記伝』のほか、『源氏物語玉の小櫛』、『玉勝間』などがありますが、その多くがこちらの書斎で書かれたそうです。

旧宅の奥には、本居宣長記念館があります。宣長の生い立ちや『古事記伝』について、分かりやすく解説しているので、まずこちらを訪れてみてください。入館料は、大人400円、大学生等300円、小人200円で、旧宅・記念館の両方に入れます。