「エリとは普通の姉妹ではない」

「なんでも話し合える相手だ」

 そう言い張るリョウを周囲はやんわりとたしなめてきましたが、いよいよその現実を突きつけられることになります。

 想定読者の存在は、創作者にとって目的地を示す地図のようなものです。次回以降、リョウがどんな形でクリエイターとしての道標を失うかが描かれることになります。

 その後、リョウがどうするかはわかりません。「悩みがあっても、書くことで救われることもある」と言った師匠・大平かなえ(筒井真理子)の言葉通り書き続けていくのかもしれないし、改めて恋愛というもの、男性と一緒に生きるということに向き合っていくのかもしれない。

 ドラマがそのどちらに進むかで、この物語が女性の生き方を描いた現代の『若草物語』なのか、『若草物語』の名を借りた創作青春物語なのかがわかってくるのでしょう。つまりは、作り手が今の魂のありかを告白していくことになるわけです。

 いずれにしろ、赤裸々に書いてるな、ということは伝わってくるんですよね。このドラマの脚本家は腹を割って見せるということを恐れていないし、恥じていない。そういう作品には、やっぱりちゃんと向き合っていきたいよね。

(文=どらまっ子AKIちゃん)