恋愛とかオトコとかに見向きもせず、創作に没頭することに恍惚と不安を見出す若者を描いたドラマ『若草物語 ─恋する姉妹と恋せぬ私─』(日本テレビ系)も第7話。個人的には本作をそういう『ルックバック』(集英社)とか『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(劇団、本谷有希子)みたいなものとして見てきましたが、そうか、そういえば『若草物語』だったなと改めて思い直した回となりました。

 今回も主人公のリョウさん(堀田真由)は1文字も書いてません。振り返りましょう。

■それは最悪の裏切り

 プロットライターとして参加しているドラマの配信用スピンオフで、ようやく脚本家デビューを果たしたリョウ。その出来栄えは自分でも納得できるものでしたし、2年前に行方をくらましたままの妹・エリ(長濱ねる)にも絶対に見てほしい。いつものようにリョウがエリにメッセージを送ると、2年ぶりに「既読」が付くのでした。

 見てくれたんだ! と慌ててエリに電話をかけるリョウですが、どれだけ鳴らしても電話には出てくれません。しかも、ただ出ないのではなく、呼び出し音が鳴っている途中にブツッと切られている。まったくわけのわからないリョウ、当然、仕事も手につきません。

 エリは、リョウにとって最大の理解者だったはずです。恋愛に興味がないリョウにエリは大いに共感していたし、リョウは脚本家として、エリは女優としてドラマや映画の世界で生きていくという夢を語り合っていました。2人で「結婚しない同盟」を結成したこともよく覚えています。

 そんなエリが姿を消したのは2年前。駆け出しの女優だったエリは事務所を辞め、部屋に荷物を残したまま忽然と姿を消しました。そんなエリの荷物の中から、大量の“社長の名刺”を発見してしまったリョウ。さらにわけがわからなくなってしまいます。わけはわからないし、こんな状態で恋愛ドラマのプロットなんて書けるわけないし、最近“オトコ”を出してきた幼なじみのリツ(一ノ瀬颯)のことも変に意識しちゃうし、もう最悪です。