コーヒーと旅が大好きな人であれば、訪問した国のコーヒーの歴史と文化に興味をそそられるのではないでしょうか。世界の奥深いコーヒー文化を知れば、もっとコーヒーのことが好きになるはずです。

本記事では、いつかは訪れてみたい世界のコーヒー博物館をご紹介します。

中東のリゾート地ドバイにある『Coffee Museum』

遊牧民の名残りであるエキゾチックなコーヒー文化を持つドバイは、コーヒー愛好家なら一度は訪れてみたい国です。

歴史地区に佇むコーヒー博物館

アラブ首長国連邦を構成する7つの首長国のひとつであるドバイ。中東諸国の中でも比較的治安が良く、活気ある都心部と圧倒的スケールの砂漠地帯を体験できる観光地として旅行者に人気です。

そんなドバイにあるコーヒー博物館「Coffee Museum」は、アル・ファヒディ歴史地区(バスタキヤ地区)の中の伝統的な石造りの建造物が建ち並ぶ小さな一角にあります。カフェもしくは雑貨屋のような外観は博物館らしくはありませんが、受付カウンターで入場料を支払って中へ入ると、小部屋がいくつもあって、それぞれ趣旨を凝らした展示品が展示されています。

実際に使用されていたコーヒーミルやコーヒーポットを見て歩けば、中東地域でどのようにコーヒー文化が発展していったのかを知ることができるでしょう。博物館の2階にはこじんまりとしたカフェがあり、アラビックコーヒーだけではなく、トルコやエチオピア、ベトナムなど世界中のコーヒーを注文できます。

アラビックコーヒーとは?

ドバイをはじめ、中東諸国で親しまれているアラビックコーヒーは、カルダモンやクローブ、サフランなどのスパイスを加えたコーヒーです。浅煎りのコーヒーとスパイス類を10分ほど煮出して作り、乾燥させたヤシの実であるデーツと一緒にいただきます。

アラビックコーヒーの飲み方は独特で、細かい作法が設けられています。完成したコーヒーはダッラと呼ばれる金属製のポットから、フィンジャーンと呼ばれる小さな器に注がれますが、客人としてもてなされた場合には、最低3杯はコーヒーを飲まなければなりません。

コーヒーを渡されたら、人差し指と親指で器を持ちます。テーブルの上に置くことは「拒絶」を意味しますから、飲み終わるまで器は置かないようにしましょう。3杯飲んで、「もうこれ以上は飲めない」というのであれば、器を左右に2、3回振ります。そうしないと、わんこそばのように、何杯も何杯もコーヒーが注がれてしまうことに。アラビックコーヒーを飲む作法では飲み残しは厳禁ですから、注意しましょう。