デメリット1 ジュニアNISAからの途中引き出しは課税対象

ジュニアNISA口座からの途中引き出しは課税対象だ。ジュニアNISAには払い出し制限がある。口座名義人が18才になるまでは、災害などの特別な事情がない限り払い出しができないのだ。

18才になる前に払い出してしまった場合は、払い出し期間以前の利益までさかのぼった利益に対して課税されることになる。また、ジュニアNISAの払い出しは、口座を廃止することを意味するので、再びジュニアNISAを利用する場合は、新規に口座開設手続きを取る必要があるのだ。

デメリット2 金融機関の途中変更は既存口座を廃止してから

金融機関の変更ができないこともジュニアNISAのデメリットといえる。かつてはNISAも口座開設以後の金融機関変更が不可能だったが、今は制度が変更され年に1度なら金融機関の変更が認められている。しかしジュニアNISAは金融機関の変更は一切認められていない。

どうしても金融機関の変更をしたい場合は、今あるジュニアNISA口座を廃止する手続きを取ってから、変更先の金融機関に新規でジュニアNISA口座を開設する必要がある。

既存のジュニアNISA口座を廃止する場合は、これまでの全ての利益に課税される。またジュニアNISA口座を開設する場合にかかる期間は、1ヵ月から2ヵ月程度かかる場合もある。かかる税金や時間と手間を考えるなら、金融機関の変更をしなくてもいいように、初期の段階で入念に下調べをしておくべきだろう。

デメリット3 投資商品のリバランスが難しい

投資商品のリバランスが難しいこともデメリットの1つだろう。ジュニアNISAは1年間で80万円の非課税投資枠があるが、投資商品を売ったことによって出た空き枠を再利用することはできないのだ。

保有商品を入れ替えながら投資バランスを取ろうとすると、80万円の投資枠の範囲内で入れ替えを行うことになるので、かなり窮屈な思いをすることになる。これを防ぐためには、個別企業の株式を自分で選んで投資する方法よりも、すでに商品内にリバランス機能がついているものを選択することだ。

例えば、投資信託商品のような「優秀な株式を少しずつ詰め合わせた」商品を選ぶことで、1年間80万円という投資としては少額な範囲内でも、バランスを取りながら運用をしていくことが可能だ。

ただし、投資信託の特別分配金はそもそも非課税であることに注意したい。特別分配金は、商品取得時の平均投資元本よりも分配後の基準価格よりも下回った際に配当されるものだ。そもそも非課税なので、特別分配金が出たからといって余分な非課税枠が増えるわけではない。

ジュニアNISA運用はメリット・デメリットを押さえて利用を

当たり前のことだが、ジュニアNISAは投資によって運用益を得ながら子供のための資金を得る手段である。投資というからには、リスクが伴うので元本割れしてしまう可能性もゼロではなく、資金を入金し投資商品を購入したらそのまま放っておけばいいものでもないのである。

ジュニアNISAを運用する際も通常の投資と同じように、許容できる損失の範囲と利益が上がった場合の売りどきを決めた上で利用するといいだろう。ジュニアNISAの運用期限は5年間と決まっているので、5年間でどこまでの運用成績を希望するのかを考えれば、自然とどの投資商品にどこまで資金を投入すればいいのかが見えてくるはずだ。

また、本文では触れなかったが、ジュニアNISAは課税投資口座と違い損益通算ができない。そもそも非課税口座だから、損益通算ができなくても不自由はしないと考えるかもしれないが、ジュニアNISA内の損失と利益を相殺できないだけでなく、他の口座の損失や利益とも合わせることが許されない。冒険をするよりもリスクを抑えたローリスク・ローリターン商品を選ぶことが、ジュニアNISAのメリットを最大限に享受できる運用スタイルといえるだろう。

ロールオーバー時の上限額が撤廃されたことにより、ますますジュニアNISA投資は長期投資向きの制度という性格が強くなった。女の子が生まれると庭に桐の木の苗を植え、子供の成長と共に見守ったという話がある。ジュニアNISAでも、しっかり根を張らせ成長していくような戦略を練ってほしい。

文・ZUU online編集部/ZUU online

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