一方、ヒロキと栞ちゃんがいなくなって茫然自失のミワさんをよそに、JOKERこと親友のマコトちゃん(恒松祐里)はテンション爆上げ。ミワさんに「ヒロキさんと栞さんに何かあったらあなたのせい」、実の父親である冬月(深澤辰哉)にも「あなたのせいで」と絨毯爆撃を仕掛けます。裁く側に回った人間は怖いですね。おまえがチクらなきゃ、全員平和だったんだけどな。
入水を思いとどまったヒロキは、馴染みの喫茶店のマスター(北村一輝)に電話をかけて「バカなことをしようとした」と告白します。こういうときに電話をかける相手がいるということが、どれだけヒロキの救いになったかわかりません。
さらにマスターは、大はしゃぎで駆け回るマコトちゃんにも「夫婦に首突っ込むな」「おまえの正義を押し付けるな」とオトナな進言。要するに「他人事だろ」ってことなんですが、マコトちゃんはヒロキにずっと恋してたし、男だろうが女だろうが不倫するやつは絶対に許せないし、最近じゃシンママとして育ててる息子が父親の話なんかしだすものだから「子どもにとって父親とは」みたいな思考が頭の中を渦巻いてるし、全然他人事ではありません。ミワさんくらいしか友達いなそうだしな。そんなマコトの事情も知らずに正論だけ叩きつけるマスター、あんたずるいぜ。マコトちゃんの話も聞いてやんなきゃフェアじゃないけど、そんなのはマスターも知ったこっちゃない。
知ったこっちゃないのはマコトちゃんも同じで、マスターに言われた正論なんてどこ吹く風、ミワさんが栞ちゃんを預けにきた機を見て冬月を呼び出し、ミワさんと対面させます。栞ちゃんが自分の子だと知らない冬月は「何か力になれることは……?」などとノンキにピュアっぷりを発揮しますが、ミワさんに「夫婦の問題だから」とピシャリと言われてしまい、こちらも意気消沈です。
とりあえず落ち着きを取り戻したヒロキは栞ちゃんのハーフバースデーの飾り付けがそのままになっているリビングで結婚指輪を外し、「そいつと育てればよかったじゃんか」「栞の父親は俺だ、栞と離れるくらいならあの子と一緒に死ぬ」などとひとしきり泣き言を連ねると、ミワさんを家から追い出してしまうのでした。