そう言った私が内心では一番動揺していたと思う。だが、私は筆一本でここまでやってきたのだ。そのことについてだけは、自分自身に絶対の信頼を寄せていた。
結果的には、そこから日本スタッフが粘り強く交渉に交渉を重ね、タイの制作チームも尽力してくれ、予定通り、無事に刑務所での撮影することができた。そして結果だけをみれば、ジョニーは私にいつものように不安を与えてくれただけであった。
タイムズ編集部には長澤編集長、箱崎デスク、有村記者。警視庁には丸山刑事に高野龍之介。そしてバンコクでは木原慶次郎と広瀬。刑務所には三島とあの男……それにトビオ……彼らがどんな言葉を発し、どんな行動に出るのか。すまん。今回も見どころしかない。
バンコクの暑さにも負けない熱量が、常に現場にあふれていた。今ではそれを眩しく思い出すことができる。
『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』は回を重ねるごとにドライブがかかっていく物語だ。準備はいいだろうか。第3話の幕がいよいよ上がる。
(文=沖田臥竜/作家・小説家・クリエイター)
ドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』
毎週木曜日23時~ABEMAにて放送
週刊タイムズの記者・三島(佐野玲於)は、世間を騒がせている〈闇バイト殺人事件〉の黒幕を調べるために、編集長の命でタイ・バンコクへ飛ぶことに。そこで三島を待ち受けていた人物は……2年前の〈火だるま殺人事件〉で三島に地獄を味わわせた、“インフォーマ”の木原(桐谷健太)だった。木原に翻弄されながらも取材を進める三島。そして2人の前に、インフォーマを名乗る謎の男・鬼塚(池内博之)が立ちはだかる。木原と三島は、〈闇バイト殺人事件〉で盗み出された”謎のブツ”をめぐり、鬼塚・そして現地マフィアと壮大な情報戦に巻き込まれていく——。
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原作小説『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』
沖田臥竜・作/サイゾー文芸・刊/1400円+税
amazonなどネット書店、全国書店で発売中