地上波テレビの広告費が下がっている今の時代、コンテンツを有料配信することで収益を上げるのが一般的だ。フジテレビでも、2022年10月期に放送されたドラマ『silent』がヒットした際に、FODの会員数が伸びたという。

「テレビ局の配信サービスにとって、もっとも重要なコンテンツがドラマ。ヒットドラマが出ればその作品を目当てに配信サービスの会員も一時的に増えます。一方で、会員を囲い込むのは簡単ではない側面もある。実際、FODで『silent』だけを観て、解約した会員も多かったそうです。そういったなかで、“シリーズ物”の人気コンテンツは、有料会員を長く引き止めておくのにもってこい。『踊る』のように作品数が多いシリーズを網羅的に配信し、さらにそこでしか観られないオリジナルコンテンツがあれば、多くの会員を呼び込み、つなぎとめておくことができるはず。すでにFODでは過去の『踊る』シリーズも配信されていますし、ここに独占配信のオリジナルコンテンツが加われば、大々的な『踊る』キャンペーンも展開できる。フジテレビにとってはまたとない大チャンスというわけです」(同)

 長らく低迷を続けているフジテレビ。『踊る』シリーズという過去の遺産を掘り返しつつ、大逆転となるだろうか。