国民年金から厚生年金への切り替えとは?

無職や学生、自営業者であった人が会社に就職した場合や公務員となった場合には、国民年金から厚生年金への切り替え、つまり第1号被保険者から第2号被保険者への変更手続きが必要となる。

厚生年金へ加入する場合、その手続きは勤務先の会社を経由して行うこととなる。細かな申請手続きは会社が行うが、加入者は年金手帳か基礎年金番号通知書を会社を通じて提出する必要がある。就職した際は、会社から年金手帳の提出を求められるケースがほとんどであるため、紛失しないように保管しておく必要がある。

万が一、年金手帳を紛失した場合は、自身で年金事務所へ再発行を依頼する方法と、勤務先の事業所を通じて再発行を依頼する方法がある。その際は、身分証明書や可能であれば基礎年金番号の分かる書類が必要となる。紛失した場合はまず勤務先企業や年金事務所に速やかに相談する必要がある。

ちなみに厚生年金の支払額の中には、国民年金保険料も含まれている。厚生年金制度に加入するということは、国民年金に自動的に加入しているということなのだ。したがって当然、この制度に適用される人は将来、厚生年金と国民年金をあわせて受け取れるのである。

厚生年金から国民年金への切り替えとは?

次に厚生年金から国民年金への切り替えである。具体的には、会社員が退職し、自営業や無職となる場合などが該当する。第2号被保険者から第1号被保険者への変更手続きとも言える。

先ほどの国民年金から厚生年金への切り替えと異なり、こちらのケースでは自身で手続きを行う必要があるため、注意したい。

厚生年金から国民年金への切り替えについては、第2号被保険者の資格喪失を意味する厚生年金の脱退手続きと、第1号被保険者への切り替えを意味する国民年金への加入手続きを行わなければならない。

まず、厚生年金の脱退手続きであるが、こちらは退職する勤務先の会社が行うため、特段の手続きは不要である。年金手帳を会社が預かっているケースでは、必ず返却をしてもらうように注意したい。

続いて、国民年金への加入手続きを取る必要があるが、こちらの手続きは自身で行うものとなる。具体的には、退職日から14日以内に、居住地の市区町村役場の国民年金担当窓口での手続きが必要となる。年金手帳または基礎年金番号通知書に加え、退職証明や離職票などの退職日の分かる書類、免許証など身分証明書が必要となる。

このように、退職時の国民年金への加入は、自分で行う必要がある。退職時はやることが多く、こうした手続きを忘れてしまうこともあるかもしれないが、十分気をつけるようにしたい。失念していた場合の措置については後述する。

配偶者の手続きは?

配偶者の手続きはどのようにすれば良いだろうか。配偶者の年間収入が130万円未満の被扶養者である場合には、扶養者同様に国民年金、厚生年金の切り替え手続きを行う必要がある。

扶養者が厚生年金加入者(第2号被保険者)である場合、被扶養者は第3号被保険者に認定されることとなる。その保険料は扶養者の加入する厚生年金制度で一括して負担されることとなる。

配偶者を第3号被保険者として手続きを行う場合には、扶養者の勤務先を通じて手続きを行う必要がある。これは扶養者が新たに厚生年金に加入する場合でも、既に加入済みの場合でも同様である。手続きには、配偶者の年金手帳または基礎年金番号通知書、年間所得が130万円以下であることを証明する書類が必要となる。場合によっては、扶養者との続柄確認や同居確認の書類を求められることもある。

扶養者が退職などにより、厚生年金加入者(第2号被保険者)から国民年金加入者(第1号被保険者)へ切り替えとなる場合、配偶者も居住地の市区町村役場の国民年金担当窓口で国民年金加入者(第1号被保険者)への切り替え手続きが必要となる。

また、被扶養者の収入が年間130万円を超えるようになり、扶養対象から外れたような場合にも、第3号被保険者からの切り替え手続きが必要となる。被扶養者であった者自身による国民年金もしくは厚生年金への加入手続きと合わせ、扶養者であった者の勤務先を通じて、被扶養配偶者非該当届を提出する必要がある。