だが、日テレは問題を大きくしたくないのか、自局のほとんどの情報番組で着服問題をスルー。報道番組で取り上げた場合も簡潔に原稿を読み上げるだけにとどめている。いつも舌鋒鋭い宮根誠司がMCを務める『情報ライブ ミヤネ屋』ですら着服問題を扱わず、視聴者からは「これじゃジャニーズ忖度と変わらない」という声が上がり始めた。

 一応は日本海テレビも日本テレビも事件の「被害者」といえるが、それで済む問題とは思えない。本来であれば、旧ジャニーズ事務所が特別チームを立ち上げて性加害問題の被害実態を調査したように、日テレは『24時間テレビ』で集めた善意の募金を預かる立場として、自社と系列局の寄付金の流れや管理方法を徹底的に調査・究明し、視聴者の疑念を取り除くべきだろう。しかし、事件をほとんど報道すらしないとなると、実態を調べるつもりがないのではないかと思えてくる。

 これをきっかけとして、かねてから指摘されていた「チャリティー番組なのに出演者にギャラが支払われる」「庶民から善意の募金を集めておいて、テレビ局は企業から高額なスポンサー料を取っている」「タレントやスタッフを酷使して働き方改革に逆行している」といった問題も再注目され、ネット上では「疑われたままで続ける気?」「もう潮時では」「時代に合ってないから終わるべき」などと打ち切り論が噴出している。

 このまましれっと継続となれば、『24時間テレビ』の信頼は地に落ちるだろう。半世紀近い歴史を持つ同番組にとって、ここが大きな岐路となりそうだ。