田村元局長は2014年に経理部次長に昇進し、その後部長になるなど、金庫を開けることができる立場を悪用したとみられる。しかし今年の11月、税務署の調査が入ること知って着服を自ら会社に申告し、社内調査の結果、寄付金の着服も明らかになった。
善意の募金がテレビ局幹部によってネコババされていた……この時点で番組の信頼が揺らぐような事件で、日本海テレビの田口晃也会長が引責辞任する事態になった。だが、これで幕引きとはならず、多くの視聴者が「本当に被害はそれだけなのか」ということに疑問を抱いている。
11月29日放送の情報番組『めざまし8』(フジテレビ系)では、元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏が、一般的な着服事件の被害額は「(当初発覚した額の)5倍、10倍くらいのことが多い」と指摘。続けて「徹底して膿を出してもらうために被害額は本当はいくらだったのか、警察に(捜査を)やってもらう。そういう姿勢じゃないと、こういうのは防げなくなると思います」と話し、実際の被害額がもっと大きい可能性があることを示唆した。
今回の事件は着服そのものだけでなく、税務署の調査が入るというきっかけがなければ発覚しなかったという、寄付金管理のずさんさも問題視されている。そのため、視聴者からは「他の系列局や日テレでも着服があるのではないか」と疑う声が噴出。日本海テレビの問題にとどまらず、日本テレビ系列全体の信用問題になっている。