あるいは『きみの鳥はうたえる』(2018年)。冒頭、閉店後の書店を写すカメラが横移動した次のカットで、石橋が初登場する。照明が暗い室内に、下手の方を向く石橋の横顔のアップが浮かぶ。そのショットの中で上手に顔を動かす。その動きひとつだけで、石橋静河と出会ってしまった、みたいな強烈な感覚になる。石橋静河の存在感はすごい。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】

音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu