「プレッシャーでは…ないですね」。ぶしつけな質問に対してしっかり明言している。さらに、アメリカとカナダでダンス留学を経験してきた石橋が演技の道へ進んだことについて「女優に転身した」と質問が投げかけられる。

「自分自身が持っているものを否定しなくなった時に、1番自分らしくいられるのかな、ちゃんと伝わるようになるのかなと感じ始めています」と言葉を手繰り寄せる彼女はきっと内心、どうして初主演映画の内容については聞かずに自分の親との関係性ばかり探られるのかと首をかしげていたように想像する。

 それでもちゃんとインタビュー記事としての撮れ高をみたす回答をしながら、はっきりと二世俳優などというなよと釘をさしてもいる。にもかかわらず、同インタビューから7年以上経った今、今度は14光りという造語がうまれてしまう現実はどうしたものか。

◆素晴らしい俳優であることは自明

石橋静河
スウォッチグループの時計ブランド「ロンジン」アンバサダーも務めた石橋静河(スウォッチ グループ ジャパン株式会社 ロンジン事業本部リリースより)
 だけど例のタイトルが付いた記事をよくよく読んでみると、芸能関係者(これがまた眉唾物だと思うけど)への取材を踏まえながら、そんな批判にさらされている石橋だが、ドラマが放送されてふたを開けて見るとやっぱり彼女の演技は素晴らしいもので、存在感があると肯定的に捉えるものばかりだった。

 下げを見せかけておいて上げる。評価が低いドラマを逆に評価して関心を集める。ネット記事にはよくある手口である。筆者の場合、いい作品なのになぜか頭ごなしに評価が低い作品に対して、いやいやなかなか肯定できる作品ですよと擁護することはある。

 でも『ブラック・ジャック』に関してはなんだかそれもバカらしくなった。ドラマ本編はおろか、予告編すら見ていないことをここに告白しておく。だって、わざわざ上げ記事を書くまでもなく、石橋静河とは誰がなんといおうと素晴らしい俳優であることは自明のことだから。下げに見せかけて上げ評価をしてる記者や芸能関係者たちはたぶん、全然演技のなんたるかなんてわかっちゃいない。