今朝のワイドショーでは、SNS戦略が成功したと見る向きが多かったが、私はそう思っていない。
以前ここでも書いたように、斎藤のパワハラ疑惑、おねだり疑惑は、誇大に膨らませていたのではないか、これをパワハラというのなら、知事は何も言えなくなってしまうのではないか。
最大の公益通報問題はまだ残るが、時系列で見ていくと、メディアが報道している内容と違うのではないかと、日刊ゲンダイ(9月14日付)でこう書いた。
「斎藤側からすればこの“騒動”がどう見えるのだろうか? 批判は覚悟のうえで、私は斎藤を“ほめ殺し”してみたいと思う。
発端になった告発文書について。元西播磨県民局長は、斎藤による職員へのパワハラ、企業へのおねだりなど7項目にわたる“疑惑”を記している。だが、これを県庁内の保護法に基づいた公益通報窓口を使わず、3月12日に匿名で一部の県議や報道機関に文書を配布していた(斎藤に関する疑惑は3点。あとは片山安孝副知事3点、県幹部らが1点である)。
斎藤がその存在を知ったのが3月20日。翌日、副知事らに徹底的に調査するよう指示し、3月27日の記者会見で斎藤は告発文書を「うそ八百」と断じた。元局長が県の公益通報窓口に告発したのは、その後の4月4日である。
斎藤側に立てば、一部の者に配布された文書は「公益通報」ではなく怪文書まがいで、内容は自分を陥れるための「誹謗中傷」と捉えたとしても、100%非難されることだろうか。それに、藤原正廣弁護士に対応を相談して、文書の真実相当性についての見解を得ているのだ」
たしかに、公益通報制度を蔑ろにしたことは重大だが、斎藤側にもいい分はあったということである。
しかし、後半戦になるにつれて、聴衆は膨れ上がり、中でも若者の姿が多く見られ、「斎藤、斎藤」コールが地響きのように沸き上がったという。
何やら、斎藤は無罪の罪で辞職させられ、「私は冤罪」だと主張している被害者のようであった。