藤井 前作は、地上波放送はカンテレだけで、東京では流れなかったんですよ。「俺が作ったんだぞ」「ふざけやがって」と思いましたね。あ、ジョークです。(笑)。でも書いていいですよ。ただ、その分、Netflixを通して見てくれる人たちがすごく増えて、Netflix内のランキングも放送回ごとに上がっていって、2位まで行って。すごく嬉しかったけど、悔しかったんですよ。だから沖田さんに「やっぱり悔しいし、続編をやりましょう!」って伝えました。それで、まずはバンコクに行ってポンコツが銃撃戦に巻き込まれるところから始めましょうみたいな、ちょっと大きいことを考えました。そのとき、カンテレさんのドラマ枠では、予算の問題もありますし、その規模感では難しいかなというところがあって。それで、次はABEMAさんでやろうと思いますと、カンテレさんにお伝えしたところ、快く送り出してくださったという流れです。

——藤井さんが所属する制作会社BABEL LABELが、ABEMAと同じサイバーエージェントグループということも関係がありましたか?

藤井 はい。話をしやすい環境ではあったので、ABEMAさんに、「こういうものを次のやりたい」と言ったら、本当に即決で「やりましょう!」と。「大丈夫ですか? お金かかりますよ?」って言ったら、「かけましょう!」と言ってくれて。宣伝予算もしっかりかけて、渋谷を広告ジャックしてくれましたね(笑)。ABEMAさんもすごいですが、沖田さんが言った通り、これって、作り手のパッションや熱量がひとつにならないと実現しなかったと思います。

――それでは、今後ますますヒートアップするであろう『闇を生きる~』の見どころをお願いします。

沖田 自分としては、海外ロケのメリットを活かしたアクションへのこだわりを感じてほしいですね。たとえば、これまでいろんなドラマや映画を見て、拳銃の撃ち方に違和感があったんですよ。こんな構えで当たるかとか。細かいところでは、トリガーにかける指の位置もちょっと違うんですよね(笑)。なんでタイでの撮影がよかったかっていうと、俳優部の人に射撃体験に実際に行ってほしかったんですよ。まず体で覚えてほしいと。体で覚えたら、拳銃を撃ったときには絶対に手首は縦に振られて、こういう反動が来ますみたいなことがわかると思うんです。そこまで見ている人は少ないかもしれませんが(笑)、そういったディテールにこだわれたことは、自分の中では達成感があります。『インフォーマ』をきっかけに、ドラマや映画での射撃の描写は俺が変えていくよって。