松本の食文化を語る上で欠かせない食材といえるだろう。


安曇野放牧豚は、信州を代表する放牧養豚。

北アルプスを望む標高800mの山間を切り拓き、自然環境を活かした育成方法、そして抗生剤やホルモン剤を使わずに育てられた豚肉だ。


また、同店の味噌、醤油などの発酵調味料は、いずれも地元・松本で江戸時代以来続く、蔵から仕入れている。

RYOZO VISION誕生の経緯

RYOZO VISIONの代表・猿田伸幸氏は、松本市の長野県松本深志高等学校を卒業後、東京工業大学物理理学科に入学した。卒業後は、在学中からアルバイトで働いていたグローバルダイニングに入社。店長やエリアマネージャーを務め、飲食店の運営やプロデュースを手掛けるRootを創業した。

同氏は、「品数を徹底して絞り込む」「個店展開にこだわる」「独自の数値管理」など、理系出身の強みを活かした独自の飲食店経営手法で活躍。「Fresh Seafood Bistro SARU」、「thalee ling」、この夏オープンの「FRECKLE donuts」といった店を、東京・渋谷区や目黒区といった飲食激戦地で人気店に育て上げた。自身が東京で培ってきた飲食店の成功ノウハウを、故郷の発展のために活かしたい。そんな長年の同氏の夢を実現させるべく、RYOZO VISIONが誕生した。

社名は、松本城を守ったことで知られる市川量造氏に由来している。明治維新によって、松本城は棄却されそうになったところ、市川量造氏は「城がなくなれば松本は骨抜きになる」と訴え、先祖伝来の蔵書を売るなどして、松本城の購入資金を工面。さらに松本城で博覧会を開催し、その入場料などを当てるといったアイデアで、買い戻しを成功させた。こうして国宝・松本城は、現在もその姿を残せている。

同社の「歴史、自然、伝統、文化にエンターテイメントを掛け合わせ、松本の文化を受け継ぎ、発展させる」というビジョンは、まさに150年前に市川量造氏の志から発想を得ているという。