今年は国会閉会後に選挙や内閣改造のスケジュールが入らなかったので、永田町の住人たちは夏休みを取りやすかったです。とはいえ選挙区の議員たちは地元で盆踊りなど夏のイベントにせっせと顔を出しているので、休息になっているかというと微妙なところです。

 そして、この時期に「外遊」に出る議員もいます。「遊」には「遊軍」「遊撃手」などのように「一定の位置にとどまらないで機動的に動く意味もあるそうで、れっきとした業務なんですが、この夏は「外遊バカンス」という造語が登場しました。これはもう「業務という名の夏休み」ということですね。

 きっかけは「エッフェル塔前写真」でした。7月下旬に自民党女性局の議員ら38名が「研修」でフランスに行き、女性局長(当時)の松川るい参議院議員や、同局長代理の今井絵理子参議院議員らがエッフェル塔の前で撮った写真をSNSに投稿したことがきっかけで批判されて大炎上したのです。

 実際には「研修」は3泊5日のうちたったの6時間で、セーヌ川の豪華ディナークルーズやシャンゼリゼ通りでの自由行動時間などのほうが長かったことなども報じられています。自腹ならハイシーズンのパリに行ってシャンゼリゼでお買いものをしようが自由なんですが、松川議員の説明では、今回のツアーは「党費」も使われているそうです。党費には税金が原資の「政党交付金」も入っている可能性があるので、「税金の無駄遣い」と批判されたようです。

 今年の1月には、岸田文雄総理の長男で当時総理秘書官だった翔太郎氏が総理の欧州と北米5か国訪問に同行し、公用車でロンドンやパリの観光名所を巡り、おみやげを買ったことが批判されたことも思い出しました。