「『占拠』シリーズは、まさにパニックアクションであって、ハリウッド映画や海外の配信ドラマにおける人気ジャンル。そこを大いに意識していることは間違いないのですが、ご都合主義な脚本とあまりお金のかかっていない特殊効果がイジられるばかり。チャレンジしていることは存分に伝わりますが、クオリティーが全然追いついていないんですよね」(同)
TBSにとってもっとも避けるべきは、『アンチヒーロー』が“ネタドラマ”となることである。
「現在の地上波ドラマ枠のなかで、もっともクオリティーが高い作品を輩出しているのが日曜劇場です。TBSとしては、この枠を絶対に守らなければならない。しかも、近年最も成功した『VIVANT』の宣伝手法を踏襲するなら、なおさら『アンチヒーロー』が酷評されるような状況を作ってはいけない。話題性という意味で『VIVANT』を意識するのはいいのですが、内容やクオリティーの面では別だという点をしっかりアピールしていかないと、本当に酷いことになるかもしれないですね。とにかくハードルの上げすぎには注意ですよ」(同)
予算が潤沢ではなくても面白い地上波ドラマは少なくない。『アンチヒーロー』も、そのようなドラマとして世に出されることを期待したい。