宣伝方法が『VIVANT』と同じであれば、当然ながら『VIVANT』と比較される可能性も高くなる。その点については、懸念材料もあるという。あるテレビ局関係者はこう話す。
「すでにロケ地に関する情報が漏れ聞こえていますが、町工場、病院、オフィス街など、身近なシチュエーションで撮影されるようですね。長谷川さん演じる弁護士が、いろいろな職業の人物を弁護するという展開もありそうです。いずれにしろ日本の司法組織が舞台となる作品なので、『VIVANT』のように大規模な海外ロケが行われることはなさそう。スケール感という意味では、『VIVANT』に比べてかなりこぢんまりするでしょう。宣伝手法だけで『VIVANT』のような作品を期待されると、“大したことない”と思われてしまう危険性はありますね」
NetflixやAmazonプライムビデオの予算をかけた配信ドラマに押され気味の地上波ドラマののなかで、1話1億円とも言われる異例の予算で制作されたのが『VIVANT』である。広大な砂漠のシーンや派手なカーアクションなども話題となった。
「アクションやミステリーの要素を含む地上波ドラマ、あるいは“スパイモノ”というジャンルの地上波ドラマのなかで、もっとも“配信ドラマに肉薄した”作品が『VIVANT』なのは間違いない。しかし、アクションシーンのクオリティーや、脚本の作り込みにおいては、予算も制作時間も潤沢な配信ドラマには到底及ばなかったというのが、実際の評価です。『VIVANT』ですら“地上波ドラマとしてはスケールが大きかった”というくらいの現実があるなかで、そこを意識した宣伝をするのはリスクが大きい。ただただハードルが高くなってしまうだけになりかねないわけです」(同)