野崎氏の死後、高校時代の友人たちとのグループLINEに、週刊誌に記者に追われているのは「ジャニーズのメンバーの家に遊びに行ったからかも」と、嘘と妄想が混じった説明をしていた須藤早貴被告。
野崎氏が死亡した直後も、友人たちと好きな芸能人についてやりとりしていたそうです。「今の私、時の人すぎてヤバい」とも発言。有名人への憧れも強そうで、逮捕されるまでは追い回されることにいら立ちを見せながらも、ブランドバッグを手にサングラスをかけ、どこかセレブの外出姿を意識しているようでした。
裁判では、傍聴席に野崎氏の会社の社員を見つけると懇願するような表情でじっと見てきたとのこと。メンタルが強い彼女のことなので、演技しているのかもしれません。
◆今後、犯罪系セレブのポジションを狙うかも
ちょうど先日、頂き女子「りりちゃん」こと渡辺真衣被告の事件が映画化される、というニュースがありました。海外でも『令嬢アンナの真実』(Netflix)など、詐欺罪を犯したにせセレブの女性の事件がドラマ化され、本人も注目を集めて有名人になっていました。
羽賀研二も恋愛リアリティ番組に出演していて、話題性があれば犯罪歴がある人でも起用されてしまいます。闇バイトならぬ闇セレブです。
虚栄心や名声への欲求が強い須藤早貴被告なので、もしかしたら今後、犯罪系セレブのポジションを狙うかもしれません。そしていつか刑期を終えたら、好きなアイドルと同じ土俵に立ちたい、と……。
犯罪で有名になれるということで、闇セレブや犯罪系セレブに憧れる風潮になったら世も末なので、人格者が支持を集め、正義が勝つ世の中であってほしいです。
<文&イラスト/辛酸なめ子>
【辛酸なめ子】
東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。著書は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。