マーク・ザッカーバーグ――「多様性に欠ける取締役会」
株式の再分類計画をめぐる訴訟 で大株主側の弁護を担当したスチュアート・グラント氏は、若くしてビリオネアになったFacebookのザッカーバーグCEOの最大の弱点は「多様性に欠ける取締役会」だと指摘している(CNBC2017年10月5日付記事)。
この起訴は2016年、クラスCの株式を発行するというザッカーバーグCEOの計画を阻止するもので、翌年9月、Facebookが計画を取りやめるかたちで終結した。ザッカーバーグCEOの試みには、所有権体系を変更することで、同氏が所有しているFacebook株を売却しても議決権行使を維持できるという意図があった(CNBC2017年9月22日付記事)。
グラント氏はFacebookの取締役会が、PayPal創業者のピーター・ティール氏やNetscapeの創設者マーク・アンドリーセン氏、Netflixのリード・ハスティングスCEOなど、ザッカーバーグCEOとよく似たシリコンバレーの起業家で構成されている点を指摘している。そのため、第三者の意見や提案に盲目になっているというのだ。
こうした独裁小国家的なビジネス環境は、ザッカーバーグCEOを窮地に追い込んでいる要因のひとつだろう。Facebookはユーザー個人情報流出スキャンダルなどのトラブルが続きで、同CEOはテクノロジー業界内でも孤立しているという(ブルームバーグ2018年4月2日付記事)。
イーロン・マスク氏――スピーチが下手
苦手なスピーチを克服するためのサイト「Speak Out」のCEO、ライアン・ラヴァーティ氏は、TeslaやSpace X、Solar Cityなど精力的に事業を展開するマスク氏の最大の欠点が「スピーチ」だと分析している。
ラヴァ―ティ氏いわく、2014年に開催された「USC Commencement」から2017年の「2017 Tesla Product Reveal」に至るまで、マスク氏はすべてのプレゼンテーションで苦戦している。奇妙なボディーランゲージを交えて沢山の単語を並べ、不安げに言いよどむ素振りを見せる。
マスク氏は、極度な分析に走る「頭が良く支配的な話し手」だ。同氏は聞き手に伝えたいことを正確に知っているが、どうすればそれを上手く伝えられるかを理解していない。情報の優先順位付けと効果的な一時停止といった、上手なスピーチの基本テクニックを身につけることで、マスク氏のスピーチに磨きがかかるだろう(Speak Out2018年3月27日付記事)。
文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online
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