そしてマコトは、思いがけず顔を合わせたミワさんと冬月の表情を観察すると、次なる実験に移るのです。ミワさんが旦那との娘として育てている赤ちゃん・栞を、遺伝子上の父親である冬月に抱っこさせようとしてみます。
「やめて!」
もう辛抱たまらんミワさん、マコトの手から赤ちゃんを奪い返すしかありません。
「もしも冬月くんが栞を抱いたら、私は壊れてしまう」
帰路、ベビーカーを押しながらそうひとりごちるミワさんでしたが、栞ちゃんはそんなミワさんの心中を知る由もありません。ベビーカーのベルトをちっちゃいあんよでモゾモゾしたりして、ゴキゲンです。
かつてのモラハラっぷりがウソのようなイクメンになったヒロキ。会社では昇進も決まり、ワークライフバランスもカンペキです。そんなイクメンかつイケメンのヒロキを、マコトは喫茶店に呼び出すのでした。
思い詰めた表情でヒロキを見つめるマコトから繰り出されたのは「ずっとヒロキさんのこと好きでした」「ミワさんはヒロキさんを裏切ってますよ、不倫してます」からの「それだけだって許せないけど、栞ちゃん……(も不倫相手との子どもだぜアレ)」という必殺の3連コンボ。ヒロキにとっては超ラブなミワさんがそんなことをしているなんて、にわかには信じられないし、喫茶店のマスターも「愛してるなら白黒つけようとするな」とオトナな進言をしてくれますが、ヒロキの頭の中でつじつまが合ってしまうんですね。
妊娠を告げられたとき、ミワさんが全然うれしそうじゃなかった。ミワさんが夜な夜なベッドから這い出してリビングでiPadを見ながら頭を抱えていた。母子手帳の「父」の名前が、なぜかしばらく空欄だった。
それでもなんとかマスターの言葉を守って今まで通り暮らしてきたけど、栞ちゃんの爪を切ってあげているときに「遺伝子検査だ」と思い当たってしまうんですね。この爪には、栞ちゃんが自分の子なのか否か、その情報が確かに入力されている。