もとはといえばあの図書館で、ミワさん(松本若菜)と冬月(深澤辰哉)という初恋同士が再会しなければ、何も起こってないわけですよね。

 あの再会がなければミワさんは冬月に誘われてフリマに参加することもなかったし、そこであんなに楽しそうにしていることもなかったし、モラハラ&ストーカー気質全開だった旦那のヒロキ(田中圭)に、家では決して見せない笑顔を見られることもなかったし、ムカついたヒロキに雑に抱かれることもなかったし、それに傷ついて冬月に抱かれることもなかった。

 その世界線を辿ってみると、ヒロキは相変わらずモラハラを続けていただろうし、精神的にもぶっ壊れていただろうし、ミワさんは離婚もできないで闇落ちしたままだろうし、そういう最低な暮らしの中で、アフリカでの初恋の人の訃報をニュースで見たのかもしれない。

 それはそれでかなり悲惨な感じですが、ずっと我慢できる程度の不幸なままがいいのか、一度は幸せ家族生活を経験したあとに地獄に突き落とされるのがいいのか、そういうことを考えてしまいますね。しかもこっちの世界線には、なんにも知らないでただ生まれてきただけの赤ちゃんがいますからね。複雑なもんです。

『わたしの宝物』(フジテレビ系)も第5話。いよいよミワさんの“托卵”がヒロキにバレました。振り返りましょう。

■つじつまが合っちゃうという恐怖

 今回は、ミワさんの親友であるマコト(恒松祐里)がミワさんとヒロキの神崎家を地獄に叩き落すため、八面六臂の働きを見せました。

 ミワさんと冬月が抱き合っているところを目撃したマコト。それは2人にとって、冬月の言葉通り「感謝のハグ」だったし、「さよならのハグ」でした。しかしマコトはそれを性的なハグもしくは行為に及ぶ前の前戯と断定。2人が不倫しているとヤマを張って、事実関係の確認作業に入ります。

 まずはミワさんを自らが営む雑貨店に雇い入れ、そこに以前から取引を持ち掛けられていた冬月を呼び出します。