「オーディション番組自体もかなり多く、供給過多気味なのは否めません。PRODUCE 101やNizi Projectのような注目度の高い日韓合同オーディション番組ならまだしも、そうではない番組の場合、厳しい審査をパスした候補者によってグループを結成しても、簡単に結果は出ない現実があります。
さらには、NiziUのような成功しているグループでさえも、デビュー時に比べると最近はメディア露出が減っており、勢いがなくなったのではないかと言われてしまう状況です。Nizi Projectシーズン2で結成されたボーイズグループNEXZについても、シーズン1のNiziUに比べると、世間的にはそこまで盛り上がっていない。オーディション番組ブームが過渡期を迎えているようにも見えます」(同)
現在のオーディション番組を取り巻く状況について、エンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏はこう分析する。
「たとえばNiziUはこの冬にアリーナ規模の全国ツアーを開催し、チケットも全公演ソールドアウトしています。つまり、活動自体は順調ではあるんですよね。しかし、メディア露出がデビュー時に比べて減っているのは事実なので、そこまでNiziUに興味がない人にしてみれば“勢いがなくなった”と見えてしまう。そういったギャップがあるので、結果的にブームが落ち着いたかのような印象を与えている部分はあるでしょう」
一方で、オーディション番組特有の構造が、熱しやすく冷めやすい状況を招いている可能性にも言及する。
「オーディション番組では、いくつかの課題を与え、そこに向けて努力する候補者に密着することで、視聴者がより感情移入しやすくなるという構造になっています。ただ、番組が放送される期間は多くの場合3カ月ほどであり、一気に盛り上げていく感があるんですよね。番組終了後は、メンバーたちの努力する姿を見る機会は減り、そういったなかで冷めてしまうライトなファンが一定数いるのも間違いないと思います」(大塚氏)