あと、パパ(北村有起哉)に神戸の友達から電話がかかってきて、空き店舗が出たから神戸帰ってきて床屋やれという誘いがあり、パパは神戸に行ってます。今日はそんな感じ。

■震災のおむすびはあんま関係ない

『おむすび』の放送前には、盛んに神戸の震災のときに避難所におむすびが届けられたエピソードが宣伝に使われていましたが、それは主人公が栄養士になるきっかけとはまったく関係がありませんでした。

 震災はカッパとの仲を深めるきっかけにはなりましたが、ここでもおむすびは関係ない。結ちゃんとカッパの2年間でも、おむすびは1回も出てきてない。

 端的に言って、踏みにじったな、と思いました。神戸の人たちにとって極めて大切であろうおむすびのエピソードが、「好きだよ、バーカ!」みたいなことをやるためのダシに使われてる。別に「好きだよ、バーカ!」をやること自体が悪いとは思わないけど、不幸や災害を「好きだよ、バーカ!」をやるためのフリに使うのは、さすがにどうかと思うんだよな。

 これまでもルーリーのネグレクトやスズリンの栄養失調など、誰かの不幸や苦労話をフリにしないと展開を作れなかった『おむすび』でしたが、いよいよ実際にモデルのある苦労までそういう使い方をしたわけで、当時の神戸を知る人たち、「震災のときのおむすびのエピソードを起点に、食の大切さを描くドラマを作りたいんですよ」というコンセプトを聞かされて取材に応じた被災者たちに、どう申し開きをするつもりなんでしょう。

 能天気なカッパよろしく「そんなもん、書き換えればいいべ!」って言うのかな。

(文=どらまっ子AKIちゃん)