「心がこもった、ステキな字や」

 風見先輩もご満悦ですが、ここでドラマはその書を見せないで引っ張るという、いつもの後回し演出。だるっ。

 結ちゃんの書は、「翔」の1文字。イケメン野球カッパこと四ツ木翔也(佐野勇斗)を応援するための幕だったんですね。カッパはみんなの期待通り、県大会の決勝に進出。これに勝って甲子園進出を決め、結ちゃんに「米田結が好きだと告白する」と宣言済みですし、プロのスカウトも来ているようなので気合十分です。

 スタンドでは、20人くらいに膨れ上がったハギャレンがブラバンの演奏に合わせてパラパラで応援しています。ルーリー(みりちゃむ)たちOGも駆け付けてくれてるし、結ちゃんが部活中に書いた「翔」の幕も張り出されていて、大盛り上がり。その期待に応えてカッパがタイムリーか何かを打ったようで(これも見せない)、カッパの所属する福岡西高は1回表に1点を先制しました。ちなみに結ちゃんは糸島東高ですので、他校の応援席で好き勝手やってるわけですが、まあこのへんはご愛嬌です。

 スミイチのまま9回裏、2死2塁。あとひとりで甲子園という状況ですが、ここでマウンド上のカッパは腕をプラプラと振る動作を見せます。すると福西の監督が「まずい!」と叫びます。その言葉通り、カッパの投じたボールは軽々と弾き返され、逆転サヨナラホームランに。カッパの甲子園への夢は潰えたのでした。

 翌日、結ちゃんを呼び出したカッパは、すっかり元気になっていました。高校を出たら大阪の社会人チームに進み、3年後のドラフトを待つのだそうです。そして、プロになったら「米田結が好きだと告白する」と言います。

「だけん、もう、それ、告白しとるんだっつーの」

「ハッ! そうか。じゃあ米田結の答えは?」

「好きだよ、バーカ!」

 ほんで家帰って、カッパに栄養のこととかいろいろメールしてた2年間を思い出しながら、栄養士になることを決めたのでした。