◆福きたれ、“笑いの時代”
今回のスペシャルでは、この突風が、新年の風のように画面内から視聴者側へ吹き込む感じがいい。きたきた、これこれ。永瀬にとっては祠のたたりであっても、視聴者にはありがたい初風。
登坂寿郎社長(草刈正雄)から成績トップを条件に課長昇進を約束される永瀬は、「このたたりを祓いたまえ、清めたまえ」と心の中で祈る。でも、もし、永瀬がまた嘘をつくような人になってしまったら、せっかくの名演がつまらなくなってしまわないだろうか。
山P得意のクールビューティなら、ライヤー永瀬の側面だけで十分。でも本音の永瀬の側面による笑いが呼び込まれることで、山下の演技はより多面的になる。
山Pと言えばクールだなんていつの時代の話だろう(もちろんクールな表情も磨きがかっている)。今や、山下智久は、福きたれ、“笑いの時代”を生きる俳優としてバージョンアップされたのだ。