◆圧倒される山下智久イリュージョン
モテるためだけにフレーズを練習したことや代打で彼女を呼んだことがバレてしまう。そもそもなぜ永瀬は嘘がつけなくなったのか。第1話でのこと。巧みな嘘を武器に“ライヤー永瀬”の異名を取り、営業成績トップを誇っていた。
建設予定地の地鎮祭で怪しげな祠(ほこら)と石碑を見つけ、スコップで壊してしまった。それ以来、妙な突風が吹くようになり、不思議と嘘をつきたくてもつけなくなってしまったのだ。
当然、成績はどんどん下がる。でも同時に永瀬は人間としての本来的な生き方に気づく。嘘も方便とはよく言うけれど、永瀬の場合は、むしろ本音こそがピンチ打開の唯一の方策。
ヒュ~と風が吹いて、流れるような早台詞で悪党どもを成敗する。悪徳不動産屋から正直不動産屋への切り替わりが、まるで中国雑技団の名物演戯、変面のごとし。山下智久イリュージョンにぼくらは圧倒されるしかない。