◆正社員は無理でも、再び働けるようになってほしい

 一番ひどかったころはお風呂とトイレ以外は自室にこもり、食事も部屋の前に置いていたとか。これに比べればかなりの前進ですが、ここからさらに一歩を踏み出すことができずにいるようです。

 ちなみに娘の絵美さんは、10代のころにもひきこもりを経験。中学時代、いじめが原因で不登校となり、なんとか高校には進学しますがほとんど学校には通えず1年生で中退。改めて通信制高校に入り直しますが卒業後に進学した専門学校も途中で辞めてしまったそうです。

 社会人になってからはアパレル販売員の仕事をずっと続けていたものの、店舗の閉鎖という不運もあって30歳のときに退職。次に就いた仕事が問題のコールセンターでした。

オペレーター
「10代のころ、ひきこもっていた娘に私と主人があれこれ口を出して、結果的にますます家から出られなくなってしまったんです。再び娘がひきこもりになってからは“見守ってきた”と言いましたが、私たちにはそうすることしかできなかったんです」

 社会復帰を考えた場合、やはり8年という職歴の空白期間は大きなネック。現在は各地でひきこもりの方を対象とした就労支援があるとはいえ万全はいえません。しかも、瑛子さんも絵美さんもこれまで支援団体などに相談は行っていません。そのため、仕事も自力で探すとなると簡単に見つかるとも思えません。