◆一人娘はパワハラで退職後、8年間ひきこもったまま
札幌在住の主婦・三村瑛子さん(仮名・71歳)は、3歳年上の夫と先日40歳を迎えた一人娘の絵美さん(仮名)と3人暮らし。しかし、もうかれこれ8年近く仕事をしておらず、家に引きこもったままだと言います。
「以前はコールセンターで働いていましたが上司からパワハラを受けていたらしく、何の相談もなしに会社を辞めてしまったんです。
『しばらく休んでからまた働くから」と話していたのですが、半年経っても1年経っても仕事を探してる気配はありませんでした。私や主人がもう少し尻を叩いてやればよかったのかもしれませんが、何も言わずに見守ることを選んでしまったんです。結果、娘は未だにひきこもったまま。私たち夫婦の判断は間違いだったのでしょうか……」
◆本人にも問題意識はあるが、一歩踏み出す勇気がない
ただし、いくら娘でもとっくに成人している社会人で子供のようにあれこれ言うわけにもいきません。瑛子さんもそのことは理解していますが、娘さんはすでに40代。まだ先のことだと思っていた8050問題(80代の親が50代の子の生活を支え、経済的・精神的に困窮する社会問題)はもはや他人事では済まされない状況です。
「娘はずっと部屋に閉じこもっているわけではないんです。食事は一緒に取りますし、地元のショッピングモールや図書館に1人で出かけることもあります。最近は娘もさすがに今のままじゃマズいと考えているのかフリーペーパーの求人誌を貰ってきたり、インターネットの求人サイトもチェックしているようです。けど、実際に面接を受けに行ったりしているわけではなく、そこに踏み出す勇気がないみたいです」