◆誰も“自信のない私”は求めていないと気づいた
――自分に自信がもてないとき、どのように意識を変えようとしたのでしょうか?
木下:あるファッションショーに出たとき、そこにいた何万人ものお客さんから声援をいただいたのですが、私が思う自分と、その大きな声援とのギャップを感じてしまいました。ランウェイを歩く他のモデルさんやポージングするモデルさんをみて、誰も“自信のない私”は求めていないと気づいたんです。
自信なさげにモジモジしていたらお客さんにも失礼なので、自信がなかったとしても表にいるときは、みんなが見たいと思ってくれている姿でいたいと感じました。
――“かわいい系モデル”としてのイメージを求められることも多かったと思いますが、それに対してはどう思っていましたか?
木下:これも前の質問につながると思っていて、モデルを始める前はトレンドの服が着られて、自分が好きな洋服を着て、かわいく撮ってもらえると、都合のいいことだけを考えていました。
初めは自分が着る系統ではない衣装だったので、当初は確かに葛藤がありました。でも、仕事への理解を深めていくうちに、モデルは本来、服の作り手や編集部の方たちの意向をキャッチアップしたうえで、最後のスパイスとして自分を使って表現する仕事だと考えるようになりました。