◆彼がドン引きした部屋の光景とは
「玄関を開けてすぐ横にキッチンがあるのですが、実は私、洗い物が大嫌いで。シンクに汚れた食器やフライパンが山盛りになっていたんですよね。まさかこんな展開になるなんて夢にも思っていなかったので…完全に気を抜いていたんです」
その光景を見た彼は、明らかにドン引きしていました。
「急に声のトーンが低くなって、手早く私の靴を脱がすと逃げるように帰っていきました。きっとヤバい女だと思われたんだろうなと気持ちが沈みました」
麻里奈さんは「もしあの時、ちゃんと洗い物をしていたら私の人生どう変わっていたんだろう?」と今でもよく考えるそう。
「彼と恋をしていたのかも、なんて無意味な妄想をついしてしまって未練がましいですよね」
ちなみにギックリ腰は一週間程で良くなりましたが、クシャミをして激痛で悶絶(もんぜつ)する度に彼のことを思い出してしまいやるせなかったそうです。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop