◆玄米、マクロビ、その次は
当時のいるみるくさんも「このままつづけるとヤバい」という自覚は持っていた。
「そんなタイミングで、巷で流行していた『粗食のすすめ』※を知りました。これならカロリーは控えめでも健康になれそうだと思い、本にならって玄米生活を取り入れます」
※ 管理栄養士である幕内秀夫氏の著書。1995年に第1版刊行。現代人の病気は食が原因だと主張し、「本当に健康になるために」と風土に根差した伝統的な穀類中心の献立と調理方法を提唱した。「粗食ブーム」の火つけ役となり、関連書籍は累計100万部を突破したという。
「そうしているうちに、次に出会ったのはマクロビです」
◆「おしゃれ」という落とし穴
「当時マドンナがはじめたことで、話題になりました。それがもう、すごくオシャレに見えまして。しかもマドンナはパーソナルシェフがいるというのが、なんだかすごかった。すっかり『こんなおしゃれで、しかもカロリーも抑えられるなんて! 最高やんけ!』と、ドはまりです。『粗食のすすめ』を雑に解釈して我流の玄米菜食生活を送っていたので、マクロビの食事ルールにはさほど抵抗はありませんでした」
マクロビオティック、通称「マクロビ」の考え方では玄米などの穀物を中心に、旬の野菜、海藻、豆類を摂ることが推奨される。
厳密に禁止はされないが、肉(野生の肉をほどほどはOK)、魚、乳製品、精製された塩や砂糖などは極力避けるのが望ましいとされている。「一物全体」「陰陽調和」「身土不ニ」といった東洋思想が軸にあるので、現代の栄養学とはまったく違う理論で成り立っている。
「マクロビでは動物性の食品は避けるので、カフェラテを注文するときは牛乳を豆乳に変えてもらいます。『あ、ソイで』。そう言うのが、最高にカッコイイと思っていましたね」