◆スケールが大きすぎる仕事内容に疑いを持った
しかし、交際期間が長くなるにつれ、彩さんは太郎さんの仕事に疑問を持つようになりました。なぜなら、太郎さんが話す依頼内容はいつもスケールが大きかったからです。
例えば、一緒にニュースを見ていて、大きな事件が報道されていると、「この事件、僕の担当なんだよね」と、よく口にしたそう。
「勘が働いたというか、なんとなく、本当だとは思えなくて、どんなことをするのかと聞くと、それは守秘義務があるから教えられないと濁されてしまいました」
そうしたやりとりを何度も繰り返す中で、彩さんは太郎さんが弁護士ではないのでは……と思うように。しかし、仕事のこと以外では彼に対して不満がなかったため、考えすぎなのかもしれないと、自分の心をなだめ続けていました。