◆全部が同じ顔にならないように、それぞれ個性を
――猫にもモデルはいるのですか?
花房「彫刻を始めたばかりの時は、猫の形を見るために飼っている猫をモデルにしていましたが、今は特定の猫をモデルにしていません。今まで、何百匹と猫を作ってきた中で『鼻筋がスッとした子はこんな感じ』『猫っぽいキリッとした目の子はこういう形』、みたいなイメージが自分の中に蓄積されているので、それをもとに作っています。全部が同じ顔にならないように、いろんなジャンルの猫の顔を混ぜて作っています」
――作品のテーマは、最初に考えているのでしょうか。
「作っているうちにちょっとずつ見えてきます。タイトルも作りながら考えます。栗を掘っていたとき、『りんごには、津軽とかふじとか名前があるのに栗にはないなぁ』と思い、栗にも『栗谷くん』『栗山くん』などの名前をつけて彫っていきました。アイドルにもかわいい系やおもしろい系などいろんなタイプがいるみたいに、栗にも個性があるなと思い、名前で遊びながら掘りました」