◆母に対する今の気持ち
ーーあらいさんは、お母さんへの見方が変わってからどう接していますか?
あらいぴろよさん(以下、あらい):以前は母から手紙が届くと「もしかして今度こそ私の気持ちを分かってくれたかも…」と読みたくなってしまうことがありました。今は郵便物の受け取りを拒絶して、母と距離をとっています。でも宅急便は届くので、息子に対して送ってくれたものは、私の気持ちは抜きにして受け取るようにしています。
ーーお母さんとの関係を完全に断つことは考えていないのでしょうか?
あらい:私が懸念しているのは、息子が母に会いたがるのかどうかなんです。今はコロナ禍なので会いに行かない理由を説明せずに済んでいるのですが、今後子どもにどう話そうか考えています。私が過去のことを子どもに話してしまうのは「違うんじゃないかな」と思っていて、これは母と私の問題ですから、子どもを巻き込まないようにしたいんです。まだ答えは出ていないのですが、夫とこれからよく話し合っていきたいです。
私自身の中には母の居場所はもうなくて、惑わされることはないと断言できるので、こうした視点を持てるようになったと思います。
ーー息子さんには、今のところお母さんのことをどう伝えられているのでしょうか?
あらい:私から積極的に話すことはありませんが、息子には、「おばあちゃんは息子のことが大好きだよ」と伝えています。私が「母は私のことが嫌いだから息子のことも好きじゃないだろう」と勝手に決めつけることも、祖母を嫌いになるような情報を与えることもよくないかなと思っています。
ーー現在は、お母さんに対してどんな思いがありますか?
あらい:「不幸になってほしい」とは思いません。以前は母の身勝手な言動でも、それを向けられると「母が私を見てくれる」と勘違いしていました。母に絡まれているだけなのに、つい愛情を期待してしまっている自分がいたし、母に対して「苦労して育ててくれた」という罪悪感もありました。
でも今はそれが払拭されたので、私に構わないでいてくれるためにも母には幸せでいてほしいです(笑)。