◆なんで?地獄すぎ!夜の仮設トイレで待っていたのは……

 奈保子さんは隣で寝ている彼を起こさずに、一人で仮設トイレに向かいました。

「おばけとかまったく信じないタイプなんで、足元と行く先さえ見えていれば一人で大丈夫だと思って。彼にトイレ前で待ってもらうのも恥ずかしくないですか?」

 なんとか着いた仮設トイレの扉を開けて懐中電灯で中を照らした瞬間、奈保子さんは腰が抜けそうになったそう。

一面カエルの景色
「びっくりしましたよ。便座の周りや天井や壁、トイレの中にたくさんのカエルが張り付いていて……ざっとトイレ全体を照らした感じだと10匹とか、15匹とかいたんじゃないかな」

 そう、奈保子さんを待ち受けていたのは、大量のカエル! しかし、そんな状況でも奈保子さんは思い切ってパンツを脱いで、用を足したようです。

「ライトを照らした時のカエルのギョロっとした目玉や、ときどき、グエッグエッって鳴く声が気持ち悪いのなんのって。カエルに触れたらすぐに洗えばいいとはいえ、少し毒があるとも聞いたことがあるし……。

 いつ飛んでくるのかわからないし、パンツを脱ぐのにちょっぴり勇気がいりましたね。次に野営キャンプをする時は、夜のお酒の量を控えることにしようかな……」

 小さな生き物たちとの出会いはキャンプの醍醐味とも言えますが、あまりに大量で、それもトイレでとなると、ギョッとしてしまいそう。ある程度の覚悟は必要だと言えるでしょう。

<文/maki イラスト/zzz>