◆「どうして食べないんだろう」と思ったら、本人なりの理由がある

――診断がおりてから、どんな風に太郎くんの個性を受け入れられてきたのでしょうか。

まゆん:毎日手探り状態でした、マニュアルがないし、その日でその日で嫌だと感じるものが違ったりするので、今はかなり分かってきたのですがやっぱり試行錯誤をしているところはあります。

――アスパラとベーコンの炒め物は好きなのにアスパラベーコン巻きはダメだというエピソードがありましたね(笑)。

まゆん:「どうして食べないんだろう」と思ったら、本人なりの理由があるんです。「野菜がふにゃふにゃしているのが嫌だ」とか。でも「他の野菜はふにゃふにゃの方がいい」と言う。野菜がふにゃふにゃだと味が変わるとか、理由があって言っているので私もそれを追求するようにしています。成長と共に太郎の受け入れられる幅が広くなってきたので、以前よりはスムーズに生活できるようになりました。

◆子どもの行動を受け入れるか、叱るかの境目は

――太郎くんの好みや感じ方について、学校の先生達とはどうやって共有しているのでしょうか?

まゆん:特別支援学級なので、学校の方からアンケートで太郎のことを聞いてくれて、3、4枚に渡って詳しく特徴を書いて渡しています。それを見て先生方が理解してくれているので、太郎の苦手なことがあってもわがままとは思わず対応してくださっているのだと思います。

――まゆんさんは、子どもの行動を受け入れたり、叱ったりする境目についてどうお考えですか?

まゆん:命に関わることは厳しく注意します。それ以外は子どもがどう思ってその行動をしたのか考えて、注意するか決めます。子どもが喋れない時期は理由が分からなくてイライラしていたんですが、太郎が話せるようになると色々な理由があるんだなと思うようになりました。