◆最初から彼は、私に恋なんてしていなかったのかも
最近、カレンさんは思う。最初から彼は、自分に恋などしていなかったのではないかと。たまたま知り合った年上の女。会えばおごってくれて、お小遣いになるサイト構築の仕事をくれてセックスもさせてくれる女……そんな感覚で会っていただけではないかと。
「今思えば、私が“次の日曜日に会わない?”って言うと、だいたいダメでしたね。当時は、私が既婚者だから彼が気遣ってくれているのかなと思いましたけど、たぶん違いますね。おそらく、婚約者の彼女と土日にのんびり会ったり、結婚準備をしていたのではないでしょうか。そう考えると寂しいですね」
◆騙されたのかもしれない、でもまた誘われたらついていく
今でもたまに、ネットで彼の名前を検索してみるそうだ。少しめずらしい、彼のフルネーム。だが、なぜか1件もヒットしない。ウェブ制作を続けているならひっかかりそうなものだけど、と、不思議に思うそうだ。
最近また、仕事のステージがあがった。今までもおつきあいのあった有名芸能人に、普段のバラエティ番組出演のときだけでなく、ドラマや映画のときにも呼ばれるようになったのだ。そして、相変わらず、夫は優しい。
「今夜は、私たちの思い出の一つ星のレストランにでかけるんです。夫は外にセックス相手がいるかもしれないと思うこともありますが、気にならないです。むしろ、ちょうどいいとすら思います。
でも、もしまたケンとどこかで再会したら、迷わずまた彼との関係を求めますね。そして、夫ならケンとの関係を知っても許してくれそうな気もするんです。優しい人ですから」