◆「私は彼の身体に溺れた、ただのメスだったのかもしれない」
「知り合ってから、たった5か月の関係でしたが、傷は深かったです。なにしろ、こんな言い方をしたらなんですが……男性の身体に夢中になるという体験は、はじめてでしたから。“恋をしてる”と思っていたけど、私はただの“メス”だったのかもしれませんね。
それだけ喪失感は大きかったです。夫はいるけど、身体半分がもぎとられたような感覚が半年以上は続きましたね。ケンが完成してくれなかったサイトは、知人づてで在宅主婦の人が完成させてくれました。夫は前と同じく優しくて、休日はパスタなんか作ってくれる人なので、そんな時間で少しずつ癒されていった感じです」
もう、あれから10年経つ。その間、自分をふって去っていったケンのことを忘れられないまま、3人の男性と関係を持ってもみた。しかし、ケンのときのような“めくるめく”ことは一度もないそうだ。