ごく普通のおばあさんが、79歳にしてアパレル会社のスタッフに。小畑滋子さんが綴るのは、いくつになっても起こりうる小さな奇跡の積み重ね。『85歳、「好きなこと」を続けるごきげん暮らし』(大和書房)は、現在85歳の小畑さんの「お気に入り」が詰まった1冊です。
昭和12年、太平洋戦争の渦中に生まれた小畑さん。少女時代に戦争が終わり、やがて洋裁学校に通うようになります。20代で5歳年上のご主人と結婚、50年以上連れ添って、79歳でご主人を亡くしました。空洞となった心に飛び込んできたのが、『Call』の求人広告。
『Call』とはファッションブランド『ミナ ペルホネン』が運営するショップです。そこに書かれていたのは、「年齢は問いません。人生経験豊富な方、心が健康で100歳!大歓迎です」。失礼ながら、いくら100歳OKと書かれていても、躊躇してしまう方が大半だと思うのです。しかし小畑さんは違いました。生まれてはじめて履歴書を書き、面接を突破し、見事採用されたのです。
子供の頃からおしゃれが大好き、洋裁学校に通った経験もプラスされ、まさに人生経験が実を結んだ結果でした。