これに対し、ネット上で驚きと感心の声が多く上がった。高畑は今作の日本語吹き替えのオファーを受けた立場であり、今回のメッセージは場合によっては「クライアント批判」ととられかねない。それでもしっかりと自分の言葉で意見を表明したことで、SNSでは「正直、高畑さんはスルーすると思ってたから、この対応は好感もてたな」「高畑充希さんの対応がいろんな意味で素晴らしい」「立場的にスルーしたって誰も責めないだろうに、きちんと向き合って真摯に考えを伝えてくれて素敵な人だ」といった称賛コメントが続出した。

 さらに、SNSで高畑の名前を検索すると「とばっちり」「気の毒」「かわいそう」といった関連ワードがサジェストされるなど、同情の声も集まっているようだ。

 高畑以外のタレントからはほとんど抗議の声は上がっていないが、そんな中でロックバンド「ONE OK ROCK」のTakaは2日、Threadsで騒動に反応。問題となったファンアートの画像を引用しながら、「おいマジで舐めんなよって気分になる」と猛烈な抗議の意思を表明した。さらに、TakaはInstagramのストーリーズでも「頭が悪いのか歴史をしらないのか、、、、ただ日本人としてマジで気分悪い」と怒りをあらわにし、ネット上で「よく言ってくれた!」「黙ってちゃいけないって教えてくれてありがとう」などと喝采を浴びている。

 高畑とTakaが大きく声を上げた一方、グレタ・ガーウィグ監督ら制作サイドは来日しながらも騒動には言及していない。また、ラーム・エマニュエル米駐日大使も、騒動に一切触れずに「バービーは全ての女性の代表であり、全ての女性がバービーそのものです。バービーは60年以上にわたり、女性は何にでもなれることを世界中で示してきました」「グレタ(監督)とバービーは、未来の女性、少女たちに勇気を与える応援団です」などとSNSで映画を褒め称えるなど、日米間での“温度差”が指摘されており、今後も尾を引きそうな気配だ。

 8月6日・9日の「原爆の日」や15日の終戦記念日が迫る中で反発がより高まっていくおそれがあり、日本における興行戦略が完全に狂ってしまった感のある『バービー』。高畑はとんだ「とばっちり」を受けたといえるが、優等生イメージがあった彼女が今回の一件で「芯の強さ」を垣間見せたことで、タレントとしての株は大きく上がったといえそうだ。