それだけなら一部の悪ノリということで済んだかもしれないが、これらのファンアートに対して、アメリカ版『バービー』公式アカウントがハートマークや笑顔の絵文字と共に「思い出に残る夏になりそう」(現在は削除)などと好意的な反応をしたことで大問題に。

 日本を中心に「原爆はネタにしていいものじゃない」「バービー楽しみだったのに失望した」といった声が集まり、7月31日に日本の配給元であるワーナー ブラザース ジャパン合同会社は、『バービー』の日本版公式アカウントを通して「アメリカ本社の公式アカウントの配慮に欠けた反応は、極めて遺憾なものと考えており、この事態を重く受け止め、アメリカ本社に然るべき対応を求めています」との声明を発表。今月1日には、米本社が「配慮に欠けたソーシャルメディアへの投稿を遺憾に思っております。スタジオより深くお詫び申し上げます」と謝罪する事態となった。

 それでも批判が収まらない中、高畑は2日のジャパンプレミア試写会への出席前に、Instagramのストーリーズ機能を使って「今回のニュースを耳にした時、怒り、というよりは正直、不甲斐なさが先に押し寄せてきました」と騒動に言及。「今回の件は本当に本当に残念です。他人事ではなく考えてもらえるにはどうしたらいいんだろう、と。声を上げ続けるしかないのかな、と。モヤモヤする中で今日という日を迎えてしまいました」などと複雑な心境を吐露した。

 高畑はジャパンプレミアについて「正直、今日登壇を辞退することも考えた」としたが、このために監督のグレタ・ガーウィグ氏とプロデューサーのデイビッド・ヘイマン氏が来日していることから「来日してくれたお2人の想い、そして私自身、このBarbieという作品自体の素晴らしさはぜひ知っていただきたいな、という気持ちを消せませんでした」とし、制作者や作品へのリスペクトを強調したうえで「明るい気持ちで今日を迎えたかったなー、悔しいです。楽しみにしていたので、とても」と抗議の意思を明かした。その後、高畑はジャパンプレミアでの舞台あいさつにバービーカラーのピンク色の着物姿で気丈に登壇している。