お次は自民党の裏金スキャンダル。自民党の最大派閥・旧安倍派の裏金問題は、東京地検特捜部が総力を挙げて取り組んでいるのだから、池田佳隆逮捕だけで済ますはずはないだろう。

 もしそうだとしたら、検察への批判が高まること間違いない。

 では、検察は誰を狙っているのか?

「それは西村(康稔)だ」と文春は見ているようである。

 どのように聴取は行われているのか、実際に聴取を受けた安倍派議員が明かしている。

「検察官と検察事務官の二人。二、三時間くらいでした。部屋はそれほど寒くありませんが、飲み物は出してもらえない。裏金の認識や、事務所の会計処理について聞かれた。事務局長の松本(淳一郎)さんが“完落ち”し、検察に資料をごっそり提出しています」

 この裏金がいつから始まったのか?元参院議長で安倍派最高顧問を務める山崎正昭がこう証言している。

「(変わったのは)森派(九十八年~〇六年)になってからかなぁ」

 安倍派中堅議員もこう話している。

「森会長になってから“入閣したければウン千万円を払えればいい”と派内で囁かれるようになりました」

 ではなぜ、経産大臣を辞任した西村がターゲットなのか?

 先の最高幹部はこう説明する。

「なぜなら彼は、安倍さんが亡くなった時の事務総長だから。検察は、その後、どう裏金を処理しようとしたのかに着目している。多くの議員や秘書がこの点を聞かれているらしい。あと、総裁選出馬を公言しているし、カネが必要なのも確かだ」

 司法関係者もこう明かしている。

「八月上旬の時点で西村氏は裏金スキームを認識しており、実態と異なる形で処理しようと指示した痕跡があるのです。複数の関係者も『西村氏の関与があったはずだ』と証言している。そもそも五人衆のうち、十二月二十四日時点で聴取予定が入っていないのは西村氏だけでした。一般的に外堀を埋めてから“容疑者”に迫るのが捜査の常道。その意味では、西村氏の元政策秘書や公設第二秘書も既に聴取を受けています」

 政治部デスクもこう語っている。

「岸田派(宏池会)は第四派閥に過ぎず、首相は党内基盤が強固ではない。折に触れ、森氏と面会するなど、最大派閥の顔色を伺ってきました。そんな中、裏金問題は安倍派を潰す絶好のチャンス。ところが、その画策とは裏腹に、岸田政権の支持率低下に直結しているのが実情です。特捜部は二十四年一月末まで、五十人規模の応援検事を確保。年を越して、安倍派議員の立件を目指す構えです。そうなると当然、さらなる支持率低下は免れ得ません」

 安倍派が崩壊しても、岸田首相の支持率は上がらず、さりとてポスト岸田も人材不足。自民党は崩壊寸前なのに、野党はまとまらず政権奪取の掛け声は口ばかり。