◆体育会系広告マンvs神経質な編集者

『夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2』© テレビ東京
 前作では、野村周平扮する夫・奥田大輔が敏腕広告マンだった。広告業界は確かに精神を蝕むくらいの激務だが、それが家庭内での暴力を許す理由にはならない。

 妻・茜(馬場ふみか)に対して、帰ってくるなりいきなり衝撃的な殴打をくらわせる。奥田家がおぞましい暴君による、あらゆるハラスメントの温床になっていた。

 その点、日野家はまだ平穏には見える。でも体育会系広告マンvs神経質な編集者の図式で考えていくと、いやこれはどっちもどっちだなと思う。透は別に暴力を振るうわけではないし、声を荒げたりもしない。ただ、それだけ内に悪いものを溜め込んでいる可能性がある。

 それがある瞬間に噴出すれば、大輔の暴力よりもっと破壊力があるかもしれない。見ているようで、自分のこと以外は、何も見ていない人。クールでカッコいい大人のようで、実は自分が一番子ども。

 第1話ラスト、極度のアレルギーをもつ息子を美咲の留守中だけ子守をする透だったが、まったく行き届かない。

 外出中のバス。子ども部屋のカメラ映像で、息子の異変を見た美咲が駆けつける。透がテーブルに置いたクッキーを食べたことが原因にもかかわらず、何の対処をしようともしない。美咲が責め立てると、透は、仕事を理由に我関せず。逆ギレする様子はほんとうに子どもみたい。