子どもたちは、小学生1人に1台ずつタブレットを学校から配布されています。児童館の方にはアンケートの二次元コードをお渡しし、それを子どもたちに配っていただいたり、施設内に貼っていただくなどしました。『自分のタブレットからアンケートに答えてね』という形でお願いをしたんです」
――二次元コードを配布して、手持ちのタブレットで子どもが自分でアンケートに答えるというのは、今どきの方法ですね!
大場「はい、予想以上に多くの回答をいただき驚いています。子どもたちの意見をたくさん集めることができました」
◆区長と区民での話し合いを経て
――アンケートに加えて、区民の方とのミーティングの場も設けたとか。
大場「区長と区民の方が定期的に『聴っくオフ・ミーティング』という会をおこなっています。毎回テーマを決めて、幅広い世代の方々がそれぞれの立場で意見を話し合う場です。そこでも公園利用者の方からたくさんの声を聞かせていただきました。これらの声をもとに、さまざまな年齢の方が利用できる公園の新しいルールを作っていきました」
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近隣の方から少しでも非難の声が上がるものを一律禁止にしてしまえば、トラブルも起きず運営もシンプルになります。しかし、そんな中であえて条件を設定し、実情に沿った新しい公園のルールを作った杉並区。
その背景には、子どもから親世代、そして高齢者にもしっかり意見を聞くための、地道な取り組みがありました。
<取材・文/瀧戸詠未>
【瀧戸詠未】
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB