◆喫煙についてのアンケートで「意外な結果」に驚く
――たしかに、守られない形だけのルールでは意味がないですよね。
大場「はい。そこで公園の利用者の方々にアンケートで聞いたみたところ『喫煙を一切禁止にすべき』という声は半数ほどでした。我々も驚いたのですが、4割以上の方は『周囲に配慮し、専用のスペースが設けられていれば喫煙してもいい』と回答をされたのです。大多数の方が、『喫煙は一律不可』と回答されると思っていたので、これは意外でした」
――実際に公園を利用されている方にアンケートをとったことで、実態が見えてきたのですね。
大場「もちろん、喫煙による子どもの健康被害があってはいけないという前提は変わりません。吸い殻のポイ捨てもあってはならないことです。ただ、実際に公園に行くと、疲れて営業の合間に一服されている方や、暑い中、交通誘導員の方が仕事を終えて一服している姿もよく目にします。
公園はいろんな方が利用する場所である以上、現在の利用者を完全に無視することはできません。ですから、一律に禁止とするのではなく、分煙施設がある公園であれば喫煙できるという条件をつけています。
とは言いましても、7月に『新しい公園のルール』を試行して以降、『全面的に禁煙にすべきだ』というお声もいただいています。現在は試行期間ですので、そういった声も情報共有しながら、このルールを来年度以降も本格実施するか、実施するのであればどのような内容にするのかを検討していきたいと思います」
◆子どもたちの声が、予想以上に集まった「方法」は
――「新しい公園のルール」を試行するにあたり、子どもから高齢者までさまざまな年齢の区民の方々から意見を集めたそうですね。
大場「今回、公園のルールを試行するにあたり、事前に広報や区のホームページなどで全体向けのアンケートを実施しました。ただ、広報や区のホームページを子どもたちはあまり見ないですよね。でも、公園は子どもの居場所としてよく使われる場所です。子どもの意見をしっかり聞きたいと考えました。そこで、児童館の方々に協力をお願いしました。